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インドのスナック、パコラ

北インド出身のスジャータさんに教えてもらったインドのスナック、パコラ。スパイスを混ぜ込んだベーサン粉(ヒヨコマメの粉)の衣に、野菜を加えて揚げたもの。とてもおいしいのだが、形ばかりの換気扇しかついていない我が家で揚げ物をするのは、相当の勇気がいる。

そこで考えたのが、同じ材料で作ったものをオーブンで焼くという方法。できあがったシロモノは……まずくはないけど、おいしくもない。揚げるより焼くほうが水分の蒸発が少ないので、衣をとく水を少なめにしたのだが、どうもずっしりと重い。今度は蒸してみようか?それともフライパンで焼く? そこまで考えてはたと気づいた。インド料理には、蒸し菓子も焼き菓子もちゃんとある。パコラは揚げるために考えられた料理なのだ。和食に置き換えればよく分かる。私が実験したのは、天ぷらの材料をそのまま焼いたようなもの。おいしいわけがない。

これはもう、覚悟を決めるしかない。部屋中の窓を開けて扇風機をつけ、 スジャータさんがやっていたように弱火で15分ほどじっくりと揚げる。その間にチャイを作るので、用意の時間に無駄がない。ふつうの台所でいかに効率よく、おいしいものが作れるか?ということまで考えて教えてくれるのが、彼女のすばらしいところ。料理の本などで「本格的な作り方」として紹介されているようなことを「私はやらないわねー」、その理由もLess messy!(そのほうが散らからないでしょ)などと答えてくれるあたりもうれしい。主婦のキモチをちゃんと分かっている。それでいて、いわゆる「高級インド料理」よりずっとおいしく、そしてもたれない。彼女の料理は正真正銘の家庭料理、つまり「しょっちゅう作って食べられる料理」なのである。
インドのスナック、パコラ_f0003871_15595836.jpg

できあがったカリフラワーのパコラ。さくっと軽くていくつでも食べられてしまう。衣の材料にはギーも入っていないので、揚げ物だけれど案外あっさりしている。塩味を利かせるのがコツのよう。
by xizi62 | 2009-12-08 12:30 | インド料理

東京とシンガポールのだいどころで


by 高島系子