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気に入っている野菜

シンガポールで生活を始めて2ヶ月。四季のない国だから、一年中同じ野菜がスーパーに並ぶのかと思っていたが、この間だけでも微妙に顔ぶれが変わっていることに気づく。本当の意味での「旬」が味わえないのは寂しいけれど、赤道直下の国で、日本の秋、オーストラリアの春に思いを馳せることができるのもまた一興。あれほど探してもなかった冬瓜も、このところよくみかける。ころんと丸い形なので見逃していただけなのかもしれないが。
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冬瓜の手前にあるのは、こちらではとてもポピュラーな柑橘類。「ライム」として売られているが、メキシカンライムのような独特の香りはない。皮が薄くてとてもジューシー。酸味はほどよく、甘味もある。私が知っている柑橘では、シークワーサーにいちばん近い。どんな料理にも合うので、かなり重宝している。ベトナムでフォーに添えるのも、もしかするとこの種のライムなのかな?

そして、最近のいちばんのお気に入りが、Bangkuangという名で売られている野菜。一見ジャガイモのようだけれど、皮をむくと山芋かナシのような白い肌が出てくる。甘味があり、しゃきしゃきとしていておいしい。Chinese turnip(カブ)という呼び方もあるようだけれど、日本のカブとはまったく違う食感。イモかレンコンに近い気がする。こちらで購入したシンガポール料理の本によると、もともとは南米の野菜で、アメリカではJicamaと呼ばれているらしい。メキシコ料理にも使われるそうで。知らなかった!

このBangkuangと初めて出合ったのは、ポピアという料理。その話は、次の記事にて。


追記:
コメントをヒントに調べてみたところ、Bangkuangの和名はクズイモだということが判明(たぶん)。ラテン名はPachyrhizus erosus (L.) Urban、これで合っているとしたら、中国名は豆薯、地瓜、涼瓜など。マメ科の植物で、根っこに芋ができるから「豆薯」(「中国食物事典」より)なのだそうだ。クズイモという名は、葉が葛に似ているから、ということらしい。

「中葯大辞典」によると、生津止渇(体のうるおいである「津液」を増やし、渇きを止める)作用があり、味は甘、性は涼。コメントにあった「暑いときに食べるとよい」というのは、まさに!と思った次第。
by xizi62 | 2008-10-13 23:15 | 食材&調味料

東京とシンガポールのだいどころで


by 高島系子