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スベリヒユ

久しぶりの帰国。住んでいた街に戻ると、いきなり1年前がよみがえる。というより、「私、きのうもここにいたよね」という感覚。一方で確実にシンガポールをひきずっていて、エスカレーターやバスの速度がいやに遅いような気がしたり、街路樹の背が低くなったと感じたり。

しかし、この東京の気候はなんだろう。なんだかシンガポールより暑い。気温や湿度では測れない何かがあるに違いない、と思ったりする。でも、ちょっと東京を離れると、そこは昔ながらの日本の空気。日中はにぎやかにミンミンゼミが鳴き、夕方になると心地よいそよ風が吹く。
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つくばで鍼灸院を営む友人夫婦を訪ねた日、無理を言って彼らが借りている畑に連れて行ってもらう。雨上がりの土のにおいが心地よい。ああ、日本に帰ってきたんだー!と実感。

写真はスベリヒユ。あっという間に増えるので、ほとんどは雑草として処分せざるを得ないようだけれど、じつは夏にぴったりの生薬でもある。以前、スベリヒユの乾燥粉末をクリームに混ぜ、子どもの水イボに塗ったところ、一週間足らずで消失した経験があり、以来この「雑草」に一目置いている私である。さっとゆでてお浸しにすると、軽いぬめりとしゃくしゃくとした歯触りがいい感じ。山ほどあったのにあっという間に食べてしまった。

たっぷり遊び、たっぷり学び、たっぷりと心を休ませた日本滞在。これがいわゆる充電ってやつだな。ずっと日本にいてはできないことをしてきた気がする。満足。

【スベリヒユ】
酸、寒。解毒消腫の作用があり、皮膚の化膿症などに内服もしくは外用で用いられる。「凉血治痢」作用、止血作用があり、細菌性の下痢などにも効果があるとされている。生薬名はバシケン。五行草とも呼ばれる。
by xizi62 | 2009-07-31 23:18 | 食材&調味料

東京とシンガポールのだいどころで


by 高島系子