三五八漬け

一時帰国中、会津の親戚を訪ねた。磐越西線に揺られながら見る田園風景は、神々しいまでに美しい。おいしいそば、とれたての柔らかなとうもろこし。心がぽっと温かくなる会津弁、虫とたわむれる子どもたち……。愛する土地とともに暮らす人たちは、どうしてこんなに強くてやさしいんだろう。

東京に住んでいたころ、亡くなった会津のおじがいつも桃を送ってくれていた。「かたいうちにどんどん食べて」と言われ、桃は柔らかいものと思っていた私はびっくり。齧るとカリッと音がするほどなのに、とても甘い。柔らかい桃とはまた別のみずみずしさがあり、一度食べたらやみつきになるおいしさ。

秋になると、今度は焼酎で渋抜きした「見知らず柿」が届く。この柿のおいしさも格別だ。そして、お米。家のすぐ近くの田んぼでとれた、特別おいしいお米を送ってくれるので、おかわりが止まらなくて困ったっけ。寒くなると、今度はリンゴ。蜜がたっぷり、でも酸味もちゃんとある、大好きな大好きな会津のリンゴ。

結婚してから、どれだけ会津の食べものに世話になってきたことだろう。食材だけではなくて、会津料理も義母にたくさん教わった。ぜんまいの煮物、小づゆ、芋煮、おまんじゅうのてんぷら。菊花の酢の物、青菜のくるみ和え、ほそたけのみそ汁。三五八漬けも忘れちゃいけない。
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同じきゅうりの漬物でも、ぬか漬けはキリリとした味わい、三五八漬けはまあるくてたおやかな味。どちらも甲乙つけがたい。麹で米を発酵させて床にするなんて、米どころならではの漬物だ。

どうか会津のお米が、今年も無事収穫できますように。
by xizi62 | 2011-08-10 23:51 | その他の家庭料理 | Comments(0)

東京とシンガポールのだいどころで


by 高島系子