煮干しとかつお節と昆布と

「五味」と聞いて、浮かんでくる味は?

中医学を知っている人なら、きっと答えは「辛・甘・酸・苦・鹹」。
けれど、現代栄養学で五味といえば、甘・酸・苦・鹹、そして、旨味なのだそうだ。辛味が抜けている理由は、「辛味は、味覚ではなく痛覚による一種の刺激であり、味ではない」とのこと。甘味、酸味、苦味、鹹味、旨味は、舌の味蕾に受容体があるのだという。

うーん、理屈は分かるのだけれど、なんだかピンとこない。特に旨味。100年くらい前に旨味をとらえる受容体がみつかって(みつけたのは日本人)、四味が五味になったのだが、だとすると、あと100年くらいしたら、六味や七味になっている可能性もなきにしもあらず。いや、それどころか、冥王星が惑星からはずされたように、旨味は厳密には「味」ではない、なんてことになっていたりして。

五行学説が元になっている五味は、未来永劫変わらない。だから、やっぱり五味=辛・甘・酸・苦・鹹。でもって、栄養学の5味は、また別の表現があるといいなと思う(five basic tastesの直訳で「5つの基本味」という言い方もあるそう)。解剖学的な臓器vs中医学の五臓のように、五味vs5味も、どっちが正しくて、どっちが間違いということではなく、どちらの考え方もアリなのだから。

上海出身の薬膳研究家、和田暁先生との雑談で出てきた話をひとつ。
和田先生は、昔から「鹹味は塩辛い味ではなくて、うまみだと解釈していた」のだそう。なるほど!と納得。確かに、中医学で鹹味に分類される食材(海鮮物など)は、だしとして使われるものが多い。塩だって、ミネラルをたっぷりの自然塩はうまみも含んでいる。

中医学の解釈では、他の四味も、舌で感じる味というだけでなく、その作用から何味かに分類されている、という場合もある。決して栄養学でいう「味」とイコールではないのだ。

と、かなり長い前置きとなってしまいましたが、「今日のお取り寄せ」はコレ。
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栄養学的には「旨味」、中医学では「鹹味」の、煮干し、かつお節、昆布。どれも、私は「大地宅配」で取り寄せている。この3種を一晩水に浸したあと、1時間近く静かにじっくり火にかけてとった出汁が好き。なんか味が足りないな、と思ったときは、迷わずこの出汁をプラス。

煮干し、かつお節、昆布を中医学的にみると? という質問を和田暁先生に投げ掛けたところ、「味は鹹。煮干しとかつお節は青魚だから補血活血。昆布は補腎と利水、それから塊を柔らかくする消腫作用もある」とのお返事。そして、和田先生ご自身は、季節の特徴に合わせて、冬は煮干し、夏は昆布中心にだしをとっているとのこと。うーん、すばらしいです!

大地宅配
有機野菜、無農薬野菜、無添加食品の宅配大手、「大地を守る会」の宅配。私はかなりのヘビーユーザーで、1週間の食糧のほとんどが大地頼り。在来種の「とくたろうさん」が特にお気に入り。
by xizi62 | 2007-02-28 17:44 | 食材&調味料

東京とシンガポールのだいどころで


by 高島系子