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幻の漬物

ずっと白菜の古漬だと思っていたものが、じつは、「山東菜」だったことが判明。どんなに工夫しても、母や祖母が漬けていたような味にならない……と思っていたら、野菜そのものが違っていたのだった。

さっそく、いつも頼りにしているご近所の八百屋さん、「ハッピーフィールド」で山東菜のことを聞いてみる。山東菜は白菜の一種らしい(ベカ菜のことも山東菜と呼ぶようだが、これとは別)。収穫時期は12月ー1月初旬の間の約2週間、と短い。漬物を家で漬ける人が多かった時代には、東京でもふつうに売られていたようだ。しかし、3ー4株をいっぺんに漬けて、春まで楽しむ(発酵が進んでどんどんおいしくなる)という方法は、今の住宅事情では難しくなり、山東菜は姿を消していった。そして今では、白菜といえば理想系の甘い白菜がほとんどで、山東菜は北関東の一部の農家で作られている程度なのだそう。
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写真は、母が漬けた山東菜。たまたま手に入ったらしい。本当に懐かしい味。祖母の家にあった木の樽を思い出した。
左は、熊本の伯母が毎年漬けている高菜。これも絶品。熊本では、高菜を塩漬けにする地域と、ぬか漬けにする地域があるそうで、伯母の高菜は後者。高菜の味も家や店によって全く異なり、私は「伯母の高菜」じゃないと……という感じ。
母の山東菜の漬物も、伯母の高菜漬も、乳酸菌のやさしい酸味がうれしい。漬物はやっぱり、古漬がいちばん。私は、こういう漬物に囲まれて育ってきたんだなあ。しみじみ幸せな気持ちになる。
by xizi62 | 2008-01-13 18:45 | いつも食べているもの

東京とシンガポールのだいどころで


by 高島系子